句ニキとは句日記のこと。してみむとて、するなり。
紙の句帖に書くことにした。
くびすぢに明るき秋の雨となる
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え? フクロウ? と思って見回したらおじいさんだった。
小雨ふる秋分ながら入日かな
なまなまとふくべ濡らせる雨なれや
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急に寒い。やめていただきたい。
みぞそばの水のひらめきくるぶしに
四辻や変化あさがほあを散らばる
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白いスニーカーに黒の靴紐をかけてみた。ペン軸をアクロインキに変えた。
城郭は石を積みあげ彼岸花
蘆揺らし現れスワンボートの首
あといくつ桃が買へるか罪を数へ
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増水した川に流される夢。なぜか助かってまず足が向いたのは交番だった。
一塊の虫の闇あり青みをり
ぐ、と虫の闇の茄子紺立上がる
足取りに霧の根が這ひ降りてくる
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鼻血で起きる。寒いからかな。顔が洗えない。
白花曼珠沙華かけあしな昼をとびきりの蕎麦で
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今日暑いなと思ったら暑い日だった。
点滴や秋風に袖遊ばれて
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春にはほとんど見なかった紋黄蝶をよく見る。多くいるのは揚羽系だけども。
築城に木の香ありけり秋の蝶
たこ焼きと封筒とパンパスグラス
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純粋な視覚的快感ってあるんだろうか。他の感覚への連想でなくて。
茫洋と月のあたりの雲明る
秋水や首のかたちがとても鴨
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本場の味と言ったのが、ほんまの味としか聞こえないので、関西風なのかなと思う。
区区に水の澄み方帰り方
水引に夕暮が乗移るなり
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サーキュレーターを切った。こんなに静かだったのか。
秋雨のあたら夜を夜と呼ぶならひ
毒きのこ人を瞶めて縛りつけ
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良い風。
難波津はついて離れぬ露ひとつ
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いつも行く薬局の薬剤師が明らかに荒れているのを見た。
彼岸花だらけ一粒万倍日
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歯科助手の方の視線が明らかにTシャツに向くのを見た。うかつな服を着ていけない。
狭霧分け行けば大なる犬ゐてoh
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職人が手間を惜しんで眠った一時間がこの昼さ。
川べりに水を握れば爽かに
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SDイラストになって過ごしたい。
前景に藤の実をおく虚かな
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死ぬまでに一度は行きたい、という考えについて考えている。一度行ったら死にたくなる場所。
瑟瑟と夜露いただく禾の属
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