句ニキ 2023年小雪迄

句ニキとは句日記のこと。してみむとて、するなり。

句帖を家の中でなくしていた。心臓が縮んだ。

木枯を堪へ瓦の鳴りにけり
昼のうちに冬は来にけり緋毛氈

アメリカにおけるブードゥーは日本での忍者みたいなものなのか。

扉開けばばりりと頰に冬の朝

「いま私のおなかの中に金沢があるの」

人参さん綺麗になりたくて悩む
ここにもある大陸飯店初しぐれ

駅前の書店が閉店する。つらい。

物失せて新しく咲く冬のばら
宿題は炬燵でできるやつてみる

末廣亭に行く。

山茶花や扇子より火の出る噺
初冬の福神漬の汁が這ふ

またぞろ末廣亭。二ツ目にあがった鈴々舎美馬さんの紋付が決まっていた。

ときをりは落葉をこぼす時計かな
辻風の犬に驚き乱れけり

食べ物をちゃんと自分で作り始めたことで改めて器に載っていないものを食べたくないという感情を自覚した。

小雪のコンクリートで出来てくる

夢のなかで、起きているときと同じことを違う方向から考えているので、時間が伸びているような感覚になる。

大綿に4㌧通り天地あり
いつまでも寒燈とある落し物