句ニキ 2024年立春迄

句ニキとは句日記のこと。してみむとて、するなり。

未提供白息。

ただで行くよその東京氷点下

寝ながら鼻血の対処を済ませていたようだ。起きたとき正直動揺した。

多摩時雨根菜類どこどこ煮られ
大綿の羽の立つなり飛ばさるる
三多摩は時雨となつてゐてあらは

好きなもの・小声で再会をよろこぶ人。

二指につくるはあとが遠目にも冬で
新しき氷柱をのぼるあさひかな

うまいパンの話ってネットですると住所バレしますわよね。

蓮の骨影身の濡葉貫きにけり
夕風や雪になりつつある天に

深夜のファミレスに行くことはいつまでだってできるけど、深夜のファミレスで楽しくなれることは若さの特権だったのかもな。

口にして肉まん少し年の暮

死に際に彼の放った陽動は人々をジェネに駆り立てた。

初駅きのふのことの目に合図
茶のいろの深更いやさ飾夜具

年末年始に口にしたいものの筆頭はシンプル中華そば(次いでくそうまいお茶)なのだけど、今年も事前下調べの甘さがたたってことごとく閉まっている。

長頭の老人となりたし三日

包丁は強い爪。手でどうにかできないものは食べないでいたい。

松過のおつけに満す漆椀

走れ、歩くより遅く。

大寒の世を経てエロくなる絵画
大鴨の犬ばりによく人を聞く

漢文が書けないコンプレックスがこのごろ日増しに刺激される。

雑炊で仔細を聞くに暮れにけり

日銀総裁植田氏の人相がけっこう好きだ。

冬りんご刃めぐりて分たるる
撮るに引く晩三吉は大きくて

もちぽにょを鳥にとられた。

とり肉も三温糖も寒のもの
西A棟枯木の光収めけり

近ごろとみに思う。蕎麦は刺し身、と。

ひたみちの夜も明るく寒椿
鉄柵の中へ枯枝放る日日

筋トレと忘れ物には相関がある気がする。

山茶花へ声かけて鳥出だしけり
喝采とともに観梅ヤーが来る

知っている人が描いている、と昔は思っていたけどこれって順序が逆で心霊体験は創作の影響を受けているんじゃないだろうか。

あちこちへ稚魚ら煩き枯芒
白梅の萼くれなゐや三煎目
寒木瓜にしたたか肉の美しさ

私のこと何名だと思ってるの。

茶の花に生家を思ふ寸時あり

書楽が閉店するので溜まっていたポイントを使って国富論を買った。

雑柑の皮散らばるも春を待つ
枯ばら園明るき水の音ばかり

今年の個人的な学習テーマは腐敗かなと考えている。わけもわからず自分がむやみに腐敗をおそれていることに我慢がならなくなってきた。

寒木瓜の綱火の如く枯れかかる
うすうすと梅は気分に連れ帰る
植ゑたるは青軸の梅ひとつきり
月影の高きに挙ぐる梅の花
紅梅の若き枝出て赤きこと

飲食店で他人を助けるときは人の目を見ない。百害あって一利なしなので。

柊を挿すまへのこと忘れをり
野球部の肩に言はせて福は内
節分やばちばちに焼く焼き魚