句ニキ 2020年7月

句ニキとは句日記のこと。してみむとて、するなり。

難易度低めの安居したい。というかただ山に籠りたい。

瀧なくて堂狭き寺夏の始め

鎌倉の二階堂あたりに住もうとしたむかし、そこは最寄りのコンビニがミニストップで、ミニストップの仕様を一通り調べたことがある。

学齢にあれば見えぬも朴の花

眠れず。夏は明るく、こたえる。

明急ぐデパス幾つで呼ぶ雲か

東京は一時間も電車で西へ行けば森がある。しかし環境破壊が最も深刻なのは奥地よりも中間地帯の里山エリア。

ここも東京止水に東京山椒魚

河鹿笛再びすれば近くきこえ

世田谷線のかたちがかわいい。乗ってどこかへ行く予定を立てたい。

立葵揃ひ立つたり伴に揺れ

眠れず。何か夢を見た。

濡るるほど山椒魚の藍歪む

眠れず。夢で見た九州には馴染みがない。

大きさの浜木綿も花崩れけむ

花失せし浜木綿いよよ勁きこと

丘の上に住んでいた。家の外の階段を駆け下りると目の前に駅があった。駅を挟んだ向こうの丘には市民プールがあった。

鉛筆に思ひ出涼し洗濯機

珍しく晴れた。

天ぷらの油に暑し昭和初期

畦に立つ二本向日葵いまが花

眠れず。だんだんと面白くなってくるタイプのドラマを指す英単語が思い出せない。

睡蓮となる身なりせばならむ心

南アフリカ原産の花は今日本のそこかしこで見られる。

さつと雨アガパンサスの青と白と

名古屋岐阜間は東京横浜間くらいの距離。体感で。高山は湯河原くらいの距離にある。

ホームあちあち尾張一宮駅

ニンニクをふだんあまり食べないが。大量に口にするとこれも夏だと思う。

海の日のおつなベトコンラーメンよ

今年はいろんなものが中止になる。ならなくても出不精なのだが。

江戸三界見こそかなはね川開

梅雨が長引いてぐずぐずと細かな雨が止まないせいなのか、そうしたうちにもゆっくり夏自体衰えているものなのか、ふっと涼しくなることが増えたようにも感じる。眠れず。

ともすると手に物をさめ夜の秋